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車両保険の一般・エコノミータイプに加入していれば台風19号で受けた車の被害が補償される

台風19号がもたらしている猛烈な雨や風により、静岡や東京、神奈川や長野、群馬など広い範囲で災害が発生しています。多摩川や千曲川が氾濫するなど、人的・物的被害が多く報告されており、被害の全貌はまだまだ分からない状態です。それどころではないので、車の被害は明らかになっていませんが、多くの車が台風の被害を受けていると考えられます。

そこで、今回は車が浸水してしまった、暴風によって車が転倒した、飛来したものとの接触により壊れてしまった、などのケースの自動車保険の請求についてお話したいと思います。

一般・エコノミータイプのどちらも台風による破損や水没に対応可能

車両保険には、ざっくり分けると一般タイプとエコノミータイプの2種類があります。一般タイプはほとんどのリスクに対応しているもので、保険料が割高。エコノミータイプは、保険料がリーズナブルな代わりに補償範囲が限られています。
※呼び名は保険会社によって異なります。

台風による車の被害については、一般タイプ、エコノミータイプともに補償されます。保険金が支払われるのは以下のようなケースです。

・駐車場内や道路上で車が水没して故障してしまった
・増水した川に車が転落した
・暴風によって車が転倒した
・暴風で飛んできたものと車がぶつかって破損した
・暴風で窓ガラスが割れた
・倒木や支柱に潰された

これらの被害が生じていたら、保険会社に連絡をして「事故報告」を行いましょう。暴風や激しい雨の最中に車を見に行く必要はありません。台風が過ぎ去って身の安全が確保されてからの方向で大丈夫。被害が発生してから10日以上放置しなければ、保険会社に咎められることはありません。

実務では、事故報告から数ヶ月後に報告してくる契約者様もいらっしゃいました。流石に時間が経過しすぎると対応が大変になりますが、数日から1週間程度であれば問題ありませんので、落ち着いてから報告してくださいね。

保険会社への事故報告で必要な情報

保険会社に、事故報告をする際に必要な情報がこちらです。

・証券番号
・氏名や連絡先
・被害にあった日時
・被害の様子
・車が今置いてある場所

証券番号はわからなくても、車のナンバーや氏名と住所などがわかれば事故報告は可能です。

保険金請求手続きの進め方

今はほとんどの保険会社で「保険金請求書」を省略した保険金支払いに対応していますので、書類の作成などはほぼ必要ありません。電話のやり取りだけで、保険金請求手続きが完了します。全損の場合や被害が小さい場合は請求してから数日での保険金支払いも可能です。事故報告さえすれば、特殊な事情がない限り、契約者様が面倒な手続きをすることはほとんどありません。

特殊な事情とは、保険金詐欺や飲酒運転が疑われる場合などなので、滅多にありません。

コールセンターやネット受付などで事故報告を受け付けたら、担当するサービスセンターや保険金お支払いセンターと呼ばれる部署に振り分けられ担当者が付きます。

担当者からの連絡は、早ければ当日中ですが多くの保険会社で週明けになることが多いでしょう。担当者は、車の現状や被害の日時、修理予定の修理工場などを確認して、「損害確認」の手配をします。

損害確認とは、アジャスターと呼ばれる車鑑定の専門スタッフが車の損害額を鑑定することを言います。アジャスターが、修理工場や自宅の駐車場などで車を確認して修理金額を算定するのです。

物理的に修理不能な場合や、修理できるけど修理金額が車両保険の金額を上回ってしまう「全損」になると、当日中、遅くとも翌日には「全損です」と契約者様に通知します。

全損の場合は、車両保険の保険金額が丸ごと契約者様に支払われます。保険の契約によってはプラス10%ほど上乗せされることも。全損の保険金は早ければ損害確認の当日に手続きできますので、いち早く保険金を受け取れるはずです。

ただし、今回の被害は非常に大きく保険会社も増員体制を敷くものの通常時のような迅速対応はできない可能性があります。

ちなみに、過去に何度か水害の事故対応をしましたが、エンジンルームまで水が入ってしまった車のほとんどが全損でした。中には納車3日目の高級車が全損になってしまった方も……。

ニュースを見ながらブログを書いていますが、長野県や群馬県など広い範囲で被害の発生が報告されています。どうか、これ以上被害が発生しませんように。